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製品レビュー

BQEYZ「四季シリーズ」の有線イヤホン「Winter II」をレビュー。なぜベストセラーになったのか?

独自の骨伝導が進化!クールな音をさらに磨き上げた

高橋 敦
2026年3月16日更新
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    高橋 敦

BQEYZ(ビーキューアイズ)の人気イヤホン「四季シリーズ」。なかでも人気のダイナミック型と骨伝導を組み合わせた「Winter」が搭載技術を一新するくらいにアップグレード! Makuakeでクラウドファンディングをした際は、2週間で1300万円を売り上げた「WinterII」、その音の進化を高橋 敦氏がレビューします。

ダイナミック型+骨伝導型! ドライバーの進化に迫る

最高品質のイヤホンをあなたに、情熱を込めて。まさに情熱的な囁きの頭文字をブランド名として掲げ2017年に設立されたBQEYZです。イヤホン分野で様々なブランドの製品の製造、あるいは開発から製造までを請け負ってきた実績のあるメーカーが、培った研究開発、設計、製造、販売能力のすべてを投入して展開する自社ブランドです。

設立からわずか数年で季節名シリーズの第一弾「Spring」をヒットさせて評価を高め、以降の季節/天候シリーズもそれぞれ話題を集めてきました。

その季節シリーズの中でもSpringと並び特に人気の高いモデルであったのが「Winter」です。その人気を受けて「Winter Ultra」というモデルに発展しましたが、さらに遂に、より大きなアップデートが施された新世代モデルが登場しました。それが「Winter II」です。

  • カナル型イヤホン
    BQEYZ
    WinterII
    ¥OPEN(実勢価格¥54,000前後)

まずはドライバー周りから見ていきましょう。ダイナミック型と骨伝導型によるハイブリッドであることに変わりはありませんが、各ドライバーが強化されています。まずダイナミック型です。ドライバー口径、気流の衝突や乱流を低減して音の歪みを抑制するデュアルキャビティ設計、磁力密度の高いネオジム磁石を使用といった基本は従来モデルと同様です。

  • 初代の「Winter」は2023年1月に発売されたイヤホンですが、その当時から12mm口径のダイナミック型と11.6mmの骨伝導ユニットを組み合わせたハイブリッド構成を採用しています。ただドライバー内部は刷新されており、マグネットはネオジム磁石なのは共通ですが、ボイスコイルはWinterがCCAWに対して、Winter IIでは大黒電線製に変更するなど、音を磨き上げています。

その上でハイクオリティ品として知られる大黒電線株式会社製コイルを新たに採用しています。そこも含めて全体設計の最適化も行われ、応答性や制御性を向上させつつ小型化が実現されています。

骨伝導型ドライバーは、その要である圧電素子の内部電極材に用いる銀、パラジウム合金に着目しています。パラジウム含有量を従来の2%から5%に高めて導電性を向上させ、音の明瞭さや光沢感を高めています。

  • 左のイラストは骨伝導ユニットの様子です。その骨伝導の駆動に採用する圧電素子に使われる銀パラジウムの含有量は、Winterの際に2%でしたが、Winter IIでは5%に向上しています。それにより圧電セラミックの導電性が向上し、音の明瞭さと光沢感をプラスしています。

そして、そのドライバーの小型化もあってだと思われますが、従来モデルの筐体はやや大柄でしたが、今回は標準的なサイズに収められています。耳の外側に飛び出る厚み方向が抑えられたことで重量バランスも整い、装着性も向上しています。

そのほか、単結晶銅導体のケーブルは手編み構造で柔軟性も良好で、プラグ部は3.5mmシングル、4.4mmバランス、そしてUSB Type-Cにも交換可能です。

  • プラグ部は3.5mmのアンバランスと4.4mmのバランスに加え、Winter IIからL字型のUSB Type-Cにも変更できます。なお、USB Type-CのDACにはConexant社「CX31993」を採用しています。DACの対応スペックは384kHz/32bit(PCM)までです。

サウンドは特長である明瞭かつ鋭さが進化した

実際のサウンドは、最初にWinterシリーズらしい、まさに冬の空気を感じさせる寒色の音調はもちろん継承されています。そういったクールな音調を好む方はぜひ注目してほしいところです。ベースライン等の存在感を押し出すローミッドの太さや厚みもこれまで通り充実しています。

一方、変化としては、これまでのシリーズは迫力か繊細さかでいえば迫力側にやや寄せた音づくりでしたが、本機は迫力と繊細さをどちらもバランスよく届けてくれるタイプにまとめられています。

このあたりはダイナミック型ドライバー自体の制御能力の向上、そして骨伝導型ドライバーの改良による音の明瞭さや光沢感の向上に由来しているのでしょう。超低域のクリアさも従来機を上回っており、あらゆる帯域で向上を感じられる仕上がりです。

星街すいせい『もうどうなってもいいや』では、エレクトリックサウンドのクールさやエッジ感に加えて、ボーカルの子音を強調したシャープな歌い回しにおける子音を実に心地よく届けるのがポイントです。磨き上げられた薄刃の刃物のようにすっとした鋭さのおかげで、鋭さや声の質感は出しつつ耳障りさはまったくありません。中盤で響く超低域もしっかり沈み込ませてくれて、それによって生み出される曲全体の急ブレーキ感の再現もばっちりです。

事前情報を確認しはじめた時点では正直なところ、筐体の小型化、プラグ交換機構が3.5mm/4.4mmに加えてUSB Type-Cにも対応という、装着性や利便性の部分のアップデートを主とした世代のモデルなのかと想像していました。しかし実機を確認すると、そうしたアップデートにも感心させられましたが、それ以上に音の進化に驚かされました。全面的な向上を実現した新世代モデルです。よくあるいい回しですが「本当にそれ!」といいたくなる仕上がりです。

製品プロフィール

カナル型イヤホン
BQEYZ
Winter II
¥OPEN(実勢価格¥54,000前後)

  • シルバー
  • グリーン

SPEC ●型式:ハイブリッド型 ●ドライバー構成:12mmダイナミック型×1+11.6mm骨伝導×1 ●再生周波数帯域:5〜40,000Hz ●インピーダンス:40Ω ●能率:113dB ケーブルの長さ:1.2m ●質量:約6.3g(片耳) ●付属品:イヤーチップ(Reference:S/M/L、Atmosphere:S/M/L、BASS:S/M/L)※いずれもシリコン素材、イヤーチップホルダー、クリーニングツール、キャリングケース