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製品レビュー

空気伝導×骨伝導ハイブリッド! Shokz「OpenRun Pro 2」レビュー。その実力をチェック

パワフルかつクリアな音。骨伝導の意義を実感

鴻池 賢三
2026年4月8日更新
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    鴻池 賢三

骨伝導ヘッドホン市場を牽引するブランド、Shokzのフラグシップモデル「OpenRun Pro 2」は、Shokz史上初めて骨伝導と空気伝導ドライバーのハイブリッド構成を採用した画期的なモデルです。骨伝導ヘッドホン市場に新風を吹き込んだ本機の魅力に鴻池賢三氏が迫ります。

空気伝導ドライバーによって低域再現の向上を図る

「OpenRunPro 2」はShokzの骨伝導ヘッドホンの最新フラグシップモデル。2022年に発売された骨伝導ヘッドホン「OpenRun Pro」の後継にあたりますが、Shokz史上初めての骨伝導および空気伝導によるハイブリッドドライバー構成が画期的です。オープンタイプの常識を破る、パワフルかつクリアなリスニング体験に期待がかかります。

オーディオ技術面では、中高域を担う骨伝導ドライバーに、高感度と高剛性を両立する極薄オールメタルを採用し、クリアで自然な中域音再生を狙っています。また、低域側は、18×11mmと大型で高剛性と軽量性を兼ね備えるドーム型振動板を持ち、大振幅でも低歪を実現するパターンを施したポリマー製エッジとの組み合わせによる空気伝導ドライバーを搭載。過去モデルが苦手としてきた低域再現の向上を図っています。

  • 中高域を担う骨伝導ドライバーに加え、低域を担う空気伝導ドライバーが新たに加わり、デュアルドライバー構成になったのが最大のポイントです。空気伝導ドライバーは18×11mmのユニットで、豊かな低域の再現性を追求しています。

さらに、独自のアルゴリズムによって2つのドライバーを帯域別に割り当てるとともに、ピーク音量での歪みを抑える「DRCテクノロジー」を搭載しています。比較的振動が大きな低域を空気伝導ドライバーが担うことにより、骨伝導特有の振動による不快感の軽減にもつなげられ、また、この空気伝搬による音漏れは、従前モデルで培ってきた独自の「DirectPitchテクノロジー」によって、音源と耳の距離や角度から音を最適化させ、逆位相を利用して物理的にキャンセルされます。独自のEQ調整アルゴリズムによっても、音漏れを効果的に低減しているといいます。

  • 独自のアルゴリズムによって、骨伝導ドライバーと空気伝導ドライバーとを帯域別に割り当てています。また、すべての音が忠実に再現されるように、ピーク音量でも歪みを抑える「DRCテクノロジー」を搭載しています。
  • 同社の完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit」「OpenFit Air」に引き続いて、音漏れを防ぐ独自技術「DirectPitchテクノロジー」を搭載しています。再生音(正相)と同等の振幅を、逆位相、同一距離で生じさせることで、互いを打ち消し合うことから、音漏れを防いでいるといいます。

ほか、人間工学に基づいたイヤーフックとユニボディフレームにより、ズレを抑え安全で快適な装着性を実現。重量バランスを整えた上で、ニッケルチタン合金のメモリーワイヤーは、激しい運動中でも不快感を与えず、しっかりと固定するとアピールします。2層構造のリキッドシリコンを採用したイヤークッションコアは、さまざまな耳の形状にフィットしやすいといいます。1回のフル充電で最長12時間の連続再生が可能なロングバッテリーは、スポーツはもちろん、さまざまなアウトドアアクティビティのフィールドを広げてくれるでしょう。

  • 人間工学に基づいたイヤーフックと形状記憶合金でつくられたユニボディフレームを採用。重量バランス的に最適化された設計によって、激しい動きでもずれにくく、快適な装着性を実現しているといいます。
  • 大容量のバッテリーを搭載。1回のフル充電で約12時間再生でき、5分の充電で2時間30分再生できる急速充電にも対応しています。

クリアでナチュラルな音。音場も立体的

実際に装着すると、重量感はほどほどに感じるものの、耳を中心に前後の重量バランスが均衡し、少し慣れると存在が気にならなくなります。長年骨伝導ヘッドホンのトップブランドとして製品を投入してきたノウハウを感じる部分です。バンド部は細身で見た目にもスマートです。

音を鳴らしてみると、クリアでナチュラルなサウンドに驚かされます。音楽再生では振動を全くといってよいほど感じず、音場も立体的で解放感も心地よいです。頭部から少し離して振動を受けないようにしたり、耳栓をして空気伝搬音が聴こえないようにしたりといろいろ試してみましたが、低域から高域まで幅広い帯域で空気伝搬を利用し、並行して中高域を骨伝導がサポートするイメージです。特に張りも感じられる良質な低域の再現は、空気伝搬タイプの完全ワイヤレスイヤホン「OpenFit」に通じるものがあり、実際にその技術が活かされているそうです。

空気伝搬音を積極的に使い、これだけでもオーディオとして成立しそうですが、骨伝導ならではの意義を実感する場面も多くありました。まず、ボーカルやセリフ、そして通話時に「声」の明瞭度が高く感じられること。さらに周囲に騒音が多い状況でも骨伝導によるクリアな「声」の聴こえはキープされ、これが空気伝搬オンリーのオープンタイプとは決定的に異なるポイントです。アウトドアでの通話時に本領を発揮するでしょう。また、トータルで感心したのは、空気伝搬と骨伝導という異なる経路からの音がミックスされても、違和感がないばかりか、よい音で楽しめること。音色の融合に相当な研究開発パワーを割いたに違いありません。音楽は躍動感に溢れ、映画は低域が豊かで臨場感が豊か。音漏れも非常に小さく抑えられているのも特筆に値します。骨伝導に縛られることなく、新しいヘッドホンの在り方を提案するOpenRun Pro2。利用シーンがますます広がりそうです。

  • 充電端子は従来のマグネット端子から、USB Type-C端子に変更されました。
  • カラーはオレンジ(左上)、グレー(右上)のほか、日本のプロマラソンランナー・大迫 傑傑選手とコラボしたモデル(ゴールデンブラック、左下)、リオ五輪と東京五輪で金メダルを獲得したエリウド・キプチョゲ選手とコラボしたモデル(オレンジ・グレー、右下)の4色をラインアップしています。

SPEC

Shokz「OpenRun Pro 2」
●通信方式:Bluetooth Ver.5.3 ●コーデック:SBC ●ドライバー:18×11mm空気伝導ドライバー+骨伝導ドライバー ●防塵・防水保護等級:IP55 ●連続再生時間:約12時間 ●質量:約30.3g ●付属品:USB Type-C充電用ケーブル、キャリングケース