4月25日(土)にフジヤエービック主催のポータブルオーディオの体験イベント「春のヘッドフォン祭 2026」が開催されました。場所はJR東京駅近くにある「ステーションコンファレンス東京」。5階と6階の2フロアを使って、今夏発売の新作や参考展示のアイテムなどが並んでいました。各社のブースレポートはPHILE WEBで行っていますので、ここではプレミアムヘッドホンガイドの井田が注目した3つのアイテムをご紹介します。
CONTENTS
・Brise Audio「IBUKI」、独自高音質化加工で異次元の音を実現したイヤホン
・FINAL「DX10000 CL」、ダイヤモンド振動板を搭載した密閉型ヘッドホン
・水月雨「MM3A」、ブランド初の小型アクティブスピーカー
Brise Audio「IBUKI」、独自高音質化加工で異次元の音を実現したイヤホン

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カナル型イヤホン
Brise Audio
IBUKI Standard Edition
¥1,000,000(税込)
最初にご紹介したいのは、今回のヘッドフォン祭のメインビジュアルになったBrise Audioの有線イヤホン「IBUKI」です。一言でいえばハイブリッド・イヤホンですが、このイヤホンはただの「多ドラ」ではありません。ハイブリッドのメリットを活かすべく、内部構造を徹底的にこだわっているのです。
一例を挙げると、3Dプリント技術を使った「音導管一体型ドライバーユニットホルダー」。これは複数ドライバーで欠かせない「音の繋がり」の実現に欠かせないパーツです。本機には静電型が2基、BA型が5基、ダイナミック型が2基搭載されますが、それぞれ特性が異なるドライバーの出力を最適なタイミングとバランスにするために微細な形状までこだわった内部パーツです。マルチBAなど、昔からビニールチューブを使ってドライバーの音をわけて出す手法はありましたが、それでは難しい複雑な構造も3Dプリントで実現できたといいます。
その他にも、独自のパッシブクロスオーバー回路や電磁波吸収素材の貼り付け、そして内部配線にはオリジナルの純銀リッツ線を採用するなど、音質のために「高音質化加工」を投入しています。
価格は100万円と、イヤホンの中では頭一つ抜けてしまいましたが、その価格も納得できる作り込みとサウンドパフォーマンスを持っています。MEMSドライバーを搭載するFUGAKUとは異なり、静電型を搭載するためか、音楽の息吹を感じる音をぜひ一度聴いてほしいです。

- ヘッドホンアンプ「WATATSUMI」(¥680,000/税込)との組み合わせを考慮してチューニングされています。

- 「FUGAKU」と同様に耳掛け式を採用。
FINAL「DX10000 CL」、ダイヤモンド振動板を搭載した密閉型ヘッドホン

- 密閉型ヘッドホン
FINAL
DX10000 CL
価格は100万円を超えるくらい
次に5階の奥の広大なスペースに出展していたFINALの密閉型ヘッドホン「DX10000 CL」をご紹介。2月に開催されたヘッドフォン祭 mini 2026でお披露目したフラグシップモデルで、今回は2月の時よりも一段階開発の熟成が進んだサンプル機が用意されていました。
特長は、ダイヤモンドを振動板のドーム部に採用した「トゥルー・ダイヤモンド・ドライバー」を搭載すること。2月の時はスタートダッシュに負けて試聴できなかったので、今回はオープン前に会場に到着。少しの時間ですが、音を聴いて腰が抜けるくらい驚きました! このヘッドホン、密閉型ですけど開放的なのです。
組み合わせてあったDACは日本未導入のMSB Technologyの「THE PREMIER DAC」。ヘッドホンアンプは同じくMSB Technologyの「THE PREMIER HEADPHONE AMP」を使って再生しました。
ダイヤモンド振動板を搭載する「A10000」と同じように、驚くほど分解能が高く、トランジェントに優れているため、音の輪郭が極めて明瞭。埋もれている音がないのでは?と思うほど、すべての音がくっきりと聞こえてきます。密閉型らしく低音の迫力はずっしりと感じられ、ドラムのアタック感も心地よかったです。そして何より驚愕したのは、密閉型なのですが音場が広大なところ。コンサートホールの広がりも閉塞感が一切なく、オーケストラの響きも自然に伸びていきます。一方、Adoのような現代的な録音のJ-POPはより一層鮮やかに描くので、モニター的というより音楽的な表現の極地を感じることができました。
価格は100万円を超えるくらいだそうで、HIFIMANの「SUSVARA UNVEILED」が切り拓いたスーパーハイエンドの世界に、またひとつ巨星が誕生しました。これも必聴!

- 細かいですが、ハウジングにシボ加工が施されているのもFINALらしさを感じるポイント。
水月雨「MM3A」、ブランド初の小型アクティブスピーカー

- アクティブスピーカー
水月雨
MM3A
予価2.5万円前後
最後は、水月雨から日本では初めてとなるアクティブスピーカー「MM3A」をご紹介します。本機はブースの奥に置いてあったので気が付かなかった人もいたかもしれません。価格は2.5万円前後を予定しているそうで、PCやスマホと手軽につなげて使うデスクトップスピーカーです。
ポイントはコンパクトな筐体ですが、50Hzまで出るパワフルな低音再生です。正面にトゥイーターとウーファーを搭載した2ウェイ密閉型で、側面にパッシブラジエーターを2基搭載します。入力はステレオミニ、USB Type-C、同軸デジタル、光デジタルの4系統。それにBluetooth接続にも対応します。専用のPCソフトも提供される予定で、EQ調整もできるそうです。
ちなみに、水月雨は有線ヘッドホンやイヤホンを製造する工場のほか、スピーカー工場もあります。というのも日本では未導入ですが、スタジオモニター用の「M4P-MTM」というバーチカルツインのパッシブスピーカーも発売しています。水月雨はニアフィールドリスニング用スピーカーの開発を、すでに何年も続けているのです。

- 2024年に中国のイベントに出展されていた「M4P-MTM」
音も少しだけ確認しましたが、サイズからは想像できない迫力のある低域再生がとても印象的でした。その一方で、ボーカル再生もメリハリがあり、PCと繋げてNetflixでアニメを観たくなりました。かなりコンパクトなので、ノートPCやスマホ、タブレットと繋いで使ってほしいです。
