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インタビュー

中国最大級のヘッドホンコミュニティ主催者、陳然氏にインタビュー! 「中国国際ヘッドホン展」のこれまでの歩みと未来

FitEar代表の須山慶太氏がキーマンに聞く!

須山 慶太
2026年6月15日更新
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    須山 慶太

去る5月16、17日に中国の深センにて、第三届深圳国際耳机展(THE 2026 CHINA SHENZHEN INTERNATIONAL HEADPHONES EXPO)が開催されました。このイベントを主催する「ヘッドホンフォーラム」(中国名称:耳机大家坛/ERJI.NET)の陳然氏に、FitEarの須山慶太氏がインタビューしました。中国のポータブルオーディオ業界の過去から未来まで、陳氏の見解を伺っています。(編集部)

  • 今回のインタビューに回答していただいた陳然さん。

陳氏が主催する「ヘッドホンフォーラム」とは?

須山氏(以下、敬称略):まず簡単に自己紹介をお願いします。
陳然氏(以下、敬称略):はい、私の名前は陳然です。1972年に浙江省で生まれました。

須山:ポータブルオーディオが好きになったのはいつですか?
陳:大学生の頃です。当時はポータブルカセットプレーヤーが流行っていました。ヘッドホンは通常、ソニーや東芝などのポータブルカセットプレーヤーに同梱されており、それを利用していましたね。

須山:「ヘッドホンフォーラム」(中国名称:耳机大家坛/ERJI.NET)は、どのようにはじまったのでしょうか?
陳:HiFiヘッドホンに興味を持ちはじめた2002年に、「ヘッドホンフォーラム」のウェブサイトを作成しました。当時はオンラインでヘッドホンに関する情報が今ほど満足になかったので、それならばヘッドホンに関するBBSを自分で作れないか、と純粋に個人的な興味からこのウェブサイトを立ち上げました。

  • 2002年に設立された中国最大級のヘッドフォン/ポータブルオーディオ専門オンラインコミュニティ「ヘッドホンフォーラム」(中国名称:耳机大家坛/ERJI.NET)

須山:ヘッドホンフォーラムの役割をどのようにお考えですか?
陳:「ヘッドホンフォーラム」は、中国語圏で最大のヘッドホンコミュニティです。中国本土だけでなく、香港、台湾、そして世界中の中国人コミュニティも含まれています。

  • ポータブルオーディオに関する様々なテーマについて熱心な議論が交わされています。

国際的な観点から見ると、英語圏のイベントやコミュニティにおける影響力はまだまだ大きくありません。主に中国語圏のユーザーを中心とした活発な議論に焦点を当てています。最近では香港からのユーザーが比較的多く、頻繁にコミュニティを訪れてくれ、ポータブルオーディオについて活発な議論を交わしています。

中国7都市で試聴イベントを実施。その狙いは?

須山:2014年にヘッドホンフォーラム主催の初の展示会「2014広州HIFI耳机与数字音頻繁展」が成功裏に開催されました。当時の苦労話をお伺いできますか?
陳:2014年に初めて広州でヘッドホン展示会を開催した際、最大の問題は出展者数が足りなかったことです。これはイベントの開催が初めてだったことと、それゆえ多くのメーカーがイベントを理解していなかったことが一因です。幸いにも開幕直前に数社の新規出展者が参加し、展示会を成功裏に終えることができました。この点については大変幸運に感じています。

  • 2014年、広州東方賓館で開催された「2014広州HIFI耳机与数字音頻繁展」の様子。日本でもお馴染みのブランドロゴが見えます。
  • 初めての大型イベントの開催で出展社の確保に苦戦するも、最終的には53ブランドが出展したそうです。
  • はじめての開催にも関わらず、熱心なオーディオファンが会場に集まり、試聴を楽しんでいたそうです。

須山:今日まで続いている「中国国際ヘッドホン展(CIHE)」の将来と発展の可能性について、どのようにお考えですか?

イベントは出展者と来場者、両面からご支援をいただき、現在では中国7都市で展示会を開催するまでに至りました。2026年には中国の南西にある雲南省・昆明市でも小規模なイベントも計画しています。また今後は展示会を海外でも実施したいと考え、世界中のメーカー、メディア、コミュニティとパートナーシップを構築しています。

中国、海外を問わず、HiFiヘッドホンとポータブルオーディオの分野は成長を続けています。革新的な企業や製品が次々と登場しており、このカテゴリーには大きなチャンスと可能性が秘められています。私がこの分野に携われることを大変光栄に思います。

須山:今年の深セン国際ヘッドホン展は、開催場所が深センコンベンション&エキシビションセンターに移って、さらに規模を拡大しましたね。
陳:合計228のブランドが出展し、昨年の約3倍、非常に大規模なものとなりました。国内外の主要ブランドを網羅しています。イベント初日の賑わいから判断すると、今回のイベントの拡大は非常に成功したと感じており、ご来場いただいた多くの方々に大変感謝しております。

  • 今年のイベントの様子。
  • 会場には出展者のロゴを掲示するスペースもありました。

日本での「ヘッドホンフォーラム」の活動とは?

須山:東京で開催された「秋のヘッドフォン祭2025」に、ヘッドホンフォーラムとして参加されました。今後、日本で展開するプロジェクトの予定はありますか?
陳:昨年のヘッドフォン祭2025では、中国メーカーと共同参加しました。今後は主に東南アジアとヨーロッパで展示会を開催し、より多くの中国の中小メーカーがつくる良質な製品を世界に広めていきたいです。

  • 中国メーカー有志7社がフジヤエービック主催の秋のヘッドフォン祭2025に合同出展しました。
  • まだ国内代理店のないメーカーの製品だけに、来場者の注目を集めていました。

中国の大手メーカーの中には海外の展示会に単独で参加しているところもありますが、これはかなりの費用がかかります。資金が限られている中小メーカーにとっては、共同参加の方がコストの面で実現しやすく、より多くのブランドが海外市場に参入する機会を得られると考えています。

須山:中国メーカーのポータブルオーディオ機器は日本でも大変人気があります。しかし、言語の壁やソーシャルメディアプラットフォームの制限があると感じます。世界中のポータブルオーディオファンにむけて、ヘッドホンフォーラムのインターナショナル版を立ち上げる予定はありますか?
陳:残念ながら、今のところありません。国際的には「Head-Fi」のような人気のある英語のコミュニティが既に存在します。そのためヘッドホンフォーラムの英語版を立ち上げたとしても、海外のユーザーを引き付けることはできないとも考えられ、既存のフォーラムをそのまま別言語化するような計画はありません。

一方、XやFacebookなどの海外のソーシャルメディアプラットフォームは積極的に活用したいと考えています。このために専任の担当者を配置することも検討しており、私自身も近年これらのプラットフォームで頻繁に発言しています。

中国ブランドは非常に迅速に製品を展開、更新しており、毎日多数の新製品が発売されています。私たちは方法は様々ですが、新しい中国製品の情報をできるだけ早く皆様にお届けしたいと考えています。

須山:最後に日本のポータブルオーディオユーザーに向けて、メッセージをいただけますか?
陳:はい。私たちはこれまでも日本国内外のネットユーザーの皆様と交流を続けており、先ほど申し上げたXやFacebookなどの国際的なソーシャルメディアプラットフォームを通じて、海外の皆様とより積極的に交流していきたいと考えています。

英語に加え、日本語をベースとした専用のコミュニケーションスペースも設け、日本のオーディオ愛好家の皆様に直接製品情報をご紹介していきたいと思っています。もちろん、共同展示会を拡大し、日本で開催される展示会でより多くのブランドをご紹介できる機会を増やしていきたいと考えています。まだ広く知られていない多くの中国製品を、日本の皆様に知っていただきたいと心から願っています。

須山:ありがとうございました。